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Twitterアカウント→fuchan318。言葉を紡ぐことが好きです。

花火の詩

夜空がうるさかったら それはもうれっきとした暴力だから、泣いてもいいよ。
テーブルの足が取れかけた部屋から見る星。綺麗。
光の柱に身を寄せてうたう鼻歌だけが夜空を壊してくれる。

遠くの方で、花火の上がる音が聞こえます。

その頃、私は天井にシャワーの粒をぶつけて、浴室に雨を降らしていた。
私は相変わらず、私に向けて歌をうたっているし、
身体のなかを流れているであろう血液が、出来るかぎり君の名前を運ばないように気を紛らわしていた。

38℃のシャワーと 自分の歌には、10分前から飽きているよ。
折り紙付きの折り紙って、どんな折り紙かな。
いったい何粒の雨が、この浴室を流れていっただろう。
火花が思考の隙間を広げて、私のふやふやになった脳は、やっぱり、ちいさな声で君の名前を呼び続けている。