ぶきよう、でこぼこ、かんちがい
2人で星を眺めていると、きみは、わたしは、きっと哀しい。
「月が綺麗ですね」が、”君を愛してる”になるなら、
「星が綺麗ですね」って、侮辱されてるようにしか聞こえない。
たくさんいる中のひとりってこと。
きみはきみで、思わせぶりな態度とか平気でとっちゃうし、
わたしはわたしで、さっきからずっと流れ星を探している。
きみは隣にいるのに、流れ星に頼るのもおかしな話だけど、
わたしたちは、織姫と彦星じゃないし、何かと曖昧な関係がずっと続いてることの方が、よっぽどおかしくて気持ち悪いって、冷静に考えられるだけの十分なツマらなさがそこにあった。
それでもね、きみが何か言った気がしたから、わたしは素直に
「ごめん、聞いてなかった」って言ったらきみは本気で哀しんでくれた。
その様子を見てわたしは少し喜んじゃったから、
わたしはきっと、今でもきみが好き。